水力採炭は120㎏/cm²程度にポンプで加圧した高圧の水を毎分2トン放水銃(モニター)から
炭壁へ噴射して石炭を粉砕する。高圧水の配管が5,000mを超えて圧力ロスが大きくなる場合は
坑内へ設備したブースターポンプで再加圧することもある。
 採掘した石炭は大量の水で押し流して運搬するので、これを水力輸送と呼ぶ。
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まえがき
炭鉱をご存じない多くの方々へのまえがき
■炭 層■
 
砂川炭鉱は石狩川に沿って南北約80Km、東西24Kmに及ぶ
石狩炭田の北部にあった。石狩炭田は発達した炭層を多く持ち、
夕張、美唄など多数の炭鉱群を擁していた。
 砂川炭鉱で主に稼行したのは「美唄夾炭層」の5枚である。
炭層の厚さは最大5m(11番層)あった。

■水力採炭法■
 
砂川炭鉱は1964年(昭和39年)から国内で唯一水力採炭に取り組み、徐々に
主力を水力採炭に移行していった。
 1985年(昭和60年)からは水力採炭自動化の研究成果が出始め、研究発表会
には炭鉱関係者以外に、報道機関も多数来山した。
 以下11番層の採炭を模式図で簡単に説明する。